坐骨神経痛(Sciatica) - 東京都板橋区

急性の坐骨神経痛で来院された30代の男性のケースです。


10年前にギックリ腰になってからも慢性的に腰痛でしたが、10日ほど前の運動中に痛めてしまい徐々に悪化しているということで来られました。


痛みは腰から右のお尻、太ももの裏側、膝の下を通って足の親指の先までチクチクと刺すような痛み。


体を右に倒すと痛みが増し、寝た状態で右脚を持ち上げたり(SLR - Straight Leg Raise: Positive)、立った状態で右足を足首から上に曲げても痛みが悪化(Braggard's Sign: Positive)します。痛みのため体を前に倒すこと(約10度)はほとんどできませんでした。


ゆっくりとしか歩けないため、通勤も乗り換えに時間がかかり、ラッシュアワー時に満員電車の中で押されると痛みが増すので辛いとも言われていました。会社でも長い間座っていると痛みが増します。


典型的な横方向の椎間板ヘルニア(Lateral Disc Herniation)による坐骨神経痛(Sciatica)です。


下の写真で説明します。(写真は左脚に痛みが出る場合のものになります)


左側は横方向(Lateral)のヘルニア、黄色の部分が神経、グレーの部分は腰椎を表現しています。右側は内側方向(Medial)または後方へのヘルニアです。

左の絵の場合(Lateral)、体を左に倒すと神経がヘルニア部分に近づき痛みが増します。逆に右側に体を倒すと、神経から遠ざかるため痛みが緩和します。


右の絵の場合(Medial)、体を左に倒すと神経がヘルニア部分から離れるため痛みが緩和します。逆に右側に倒すと間に挟まれるスペースが縮まり、神経がヘルニア部分に触れて痛みが増します。


内側もしくは後方へのヘルニアについては、以下の記事を参考にしてください。横方向の場合とは対応が異なります。

今回の男性のケースは、右側横方向の椎間板ヘルニア(Lateral Disc Herniation) によるものなので、以下の順に対応を行いました。


検査
  • 急性の炎症により浮腫が第3腰椎(L3)から第2仙椎(S2)まで幅広く広がっていました。
  • 触診でも第3腰椎(L3)から第2仙椎(S2)、右側の仙腸関節(SI Joint)に痛み。
  • レントゲンでは、第4腰椎(L4)の椎間板が炎症で腫れているような状態に。
  • スコープによる検査では、第5腰椎(L5)に鋭い針の振れを確認。
  • レントゲンの画像からは第5腰椎(L5)はPRS (Posterior, Right Rotation and Superior: 後方、右回旋、右側椎間板の拡大)のリスティング。


アジャストメント

炎症が激しく、触診でのリスティング確認が難しいため、まずはうつ伏せの状態で第5腰椎(L5)のリスティングを確認しながら同時にアジャストメントを行う方向を決めます。


最初は右側から第5腰椎(L5)にPRSリスティングに対してコンタクトし、ゆっくりと押していくと痛みが増すと言われました。次に反対側からPRS-M(-M: Mammillary Process 乳頭突起)のリスティングによりコンタクトしゆっくり押していくと、次第に痛みが和らぎ、楽になると言われました。この状態で痛みが悪化しないかを確認しながら、3回ゆっくりとポンピングを行います。


再度立ち上がって歩いてもらったところ痛みがだいぶ楽になったことを確認していただけました。体を前に45度ほど倒すこともできます。右側に体を倒しても足の痛みが以前より軽くなっていることも体感していただけました。


以上のことから、最後にペルベック・ベンチを使用して左側からコンタクトし、第5腰椎(L5)PRS-Mのリスティングに対してアジャストメントを行います。


大きな音がして本人はびっくりしていましたが、「おお〜〜〜、でも痛くない…」と言って不思議そうな表情をされていました。(^_^;


すぐに立ち上がって歩いてもらったところ、大きな変化を実感します。


恐る恐るでしたが、体も90度前に倒せます。歩きながらも嬉しそうな表情が印象的です。自分で腰を曲げながら体を色々な方向に倒しながら確認されていました。1つ1つの動きに「うん、うん」と頷きながら微笑んでいる表情が見ていて楽しかったです。特に足の痛みの感覚が大きく変わったと言われました。チクチクした感覚がぼんやりとぼやけたような感覚に変わったそうです。


その後の経過

最初の週は1日おきに週3回、翌週は月曜日と金曜日の週2回、3週目からは週1回というペースで順調に改善してきています。


途中、右側の仙腸関節(SI Joint)のアジャストメントを経由し、現在では第4腰椎(L4)にシフトしました。当初のレントゲンで第4腰椎(L4)腰椎の炎症が見えていたので、レントゲンと本人の痛みの箇所が一致しています。最初の頃はレントゲンと実際の症状が一致しないことはよくあります。


実は、4回目のアジャストメントは、急遽午前中と夜の1日2回行うことになりました。


3回目終了時には、自分でしゃがんで靴の紐を結べるほどまで痛みがなくなり、体も曲げられるようになっていました。ところが、週末に家で掃除の手伝いをした際、モップがけと床の拭き掃除をして再度腰を痛めてしまったためです…(T_T)


ですが、この時は1日に2回のアジャストメントを行い、前の週と同じ状態にすぐ回復しています。


週末は座りすぎに注意し、なるべく歩いてもらうようにお願いしていたのですが、まさかモップがけに拭き掃除をするとは予想外でした…(^_^;;


腰痛の予防も含めて、以下の記事も参考にしてください。


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Gonstead Chiropractor (ガンステッド・カイロプラクター) 米国Doctor of Chiropractic (D.C.) English Available

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