AS/AI Atlas(アトラス)
第1頚椎(C1)は日本語では環椎ですが、英語ではAtlasと呼ばれます。
この名前は、ギリシャ神話の神であるアトラスが、ゼウスとの戦いに敗れたことにより天空を背負う役目を負わされたことに由来します。第1頚椎(C1)も大きな頭蓋骨を支えているからです。
X線写真の側面(Lateral)画像から、ASもしくは、AIの第1頚椎(C1)リスティングを判断する目安として、第1頚椎と第2頚椎の環椎歯突起間距離(ADI : Atlantodental Interval)を確認する方法があります。
ここのスペースが、VサインのようになっているとAI(Anterior Inferior)、∧(逆のVサイン)の場合はAS(Anterior Superior)となっている可能性が高いということです。もちろん、通常のX線写真のライン分析による結果が最優先されますが、クロスチェックの方法として利用できます。
ところで、第2頚椎の軸部分は、odontoid processと呼ばれ、odontoidには「歯のような」「歯状の」といった意味があります。なので、アトラスとこの歯のような突起のスペースをAtrantodental Interval (ADI)といいます。
ここのスペースは、大人で約3mm、子供で5mmが通常の間隔なのですが、間隔が広くなっているケースは要注意です。事故などによる外傷性のもの、リュウマチなどの炎症性関節炎、ダウン症、上部頚椎の異常形成などの可能性があります。
特に、カイロプラクティックを受けにきた方が上記に当てはまる場合は、上部頚椎のアジャストメントを行う前に、必ず整形外科や総合病院でのレントゲン撮影及び診断を受けてもらうようにする必要があります。
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